お箸の国の物語

ふなくぼ商店

銀シャリ師

プロの銀シャリの作り方

お寿司って本当に美味しいですよね・・・当店も何軒ものおすし屋さんに納品していますので、プロの銀シャリを伝授致します。

1.しっかり計量

まずはしっかりと計量して炊くこと。「基本の分量」通常の炊飯より1割減らしたお水で炊きます。お米は目方で計ったほうが正確です。1合を150gとして米質や季節によって異なりますが、通常1合に対し220ccのお水で炊飯しているとしたら10~20%の水を減らし3合炊くならお米450gにお水500cc硬め~560㏄軟らか目 合わせ酢70 (薄味)~100 ccという事になります。

お米は、1時間ほど吸水させてちょっと硬めに(電気釜なら早炊き)炊き上げます。

粘りの強いお米を使用する時は、ぬるま湯で研いでぬるま湯で炊くと粘りが減ります。

2.炊きたてのアツアツに「合わせ酢」を入れてシャリ切りする・・・

蒸らし後の炊きたてのご飯を、飯台「無い時は極力広くて大きいボールやバットを使用」にアツアツご飯をあけ、ご飯を切りながら2回ほどに分けて合わせ酢を加えてきり混ぜます。合わせ酢でびちゃびちゃに感じても大丈夫。

こねない様に、しゃもじを横に切りながら団扇で扇ぎながらきり混ぜます。風を当てることでお米に艶と、張りが出ます。

3.しっかり寝かせて、なじませる・・・

切り混ぜたシャリを余熱の残った内釜に戻し、保温を切ったジャーに戻します。その時、シャリの上に固く絞った濡れ布巾などをかぶせ余計な水分を吸わせてしまいます。 通常のジャーの保温は約74度ですが、お寿司は40度が良いので保温を切るか、お櫃などで1時間位寝かせて合わせ酢をご飯になじませます。

お奨め合わせ酢の分量・・・

お酢を人肌に温めて塩と砂糖を溶かします。

米酢60cc りんご酢40cc 砂糖45g 塩5g 後はお好みで加減してね。


これで貴方も銀シャリ師!

 

昔、すし店には「シャリ屋」と呼ばれる飯炊き専門の職人がいたという!

すしの始まりは、千年以上と云われるフナずしという事になり、平安時代にも諸国からの献上物として、「イノシシ・シカ・アユ・アワビ・ホヤ・イワシすし」から時代を経て「タケノコ・ナス・ドジョウ・ナマズなど」変ったすしも在った様です。やがて酢の醸造が進歩して後江戸時代に旧魚河岸付近にすし屋らしきものが現れたようです。関西ではハコずしの文化が進み「鮓」の字を使う処が多く、関東では「鮨」の字が多いようです。

日本の様々な土地で、様々な寿司文化が在り、これは稲の国の山と海が育ててくれた特別な食べ物だと思います。そんな寿司ですから 当然、「シャリ」も、お米の品種、炊き方(湯炊き・水炊き)ちっと特殊な(煮込みと云う方法)や(出汁で炊く・水で炊く)又、合わせ酢の酢の種類から砂糖の種類分量その他、シャリの事だけでも1冊の本になるぐらい様々です。それだけ、単純な「お米をご飯にする」という作業ですが、奥が深く面白いものです。今では、合成酢と砂糖・化学調味料・米飯改良剤などを使ったシャリが多くなってしまいましたが、そんなプロの技をチョッと盗んで美味しいご飯に在りつければ・・・ちっと幸せな気分になれるかも!

 

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